NHK連続ドラマ小説「らんまん」の放送も終盤に入り、追加キャストが新たに発表されましたね。
人気俳優の中川大志さんが演じるのは、資産家の青年役・永守徹です。
今回は、永守徹の実在モデル「池長孟」について、牧野富太郎氏との関係も交えてご紹介します。
らんまん永守徹のモデルは池長孟!生い立ちや経歴は?
らんまんで登場する永守徹の実在モデルと考えられるのは、池長孟さん。
池長孟さんは、実業家で美術収集家として知られていますね。
まずは、池長孟さんの生い立ちや経歴について簡単にご紹介しましょう。
池長孟さんは、1891年(明治24年)11月24日に神戸で生まれました。
幼少期に資産家の叔父・池長徹の養子として迎えられ、旧姓の井上を池長に改名。
そして、養父が亡くなると莫大な資産を引き継ぎます。
京都帝国大学を卒業後、教育者としての道を進みながら、美術品の収集家として活動。育英商業学校の校長となり、南蛮美術の収集を行いました。
伝説の美術品コレクターとしても名を残していますね。
そして、1955年(昭和30年)8月25日に亡くなりました。
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池長孟の妻・子どもや子孫は?
池長孟さんは、3度の結婚をし、妻との間に5人の子どもをもうけています。
池長孟の3人の妻たち
最初の妻となったのは、戦国武将・荒木村重の末裔とも言われている家系の女性・正枝。
次男が誕生する時に体調不良となり死別します。池長孟は正枝との間に3人の子を授かっています。
次に結婚した二人目の妻は、映画評論家・淀川長治の姉・富子。
しかし、富子が家出したことで離婚してしまいます。
そして、三番目の妻は、植野とし子という女性。
この女性との間に2子をもうけました。
池長孟の子どもたち
池長孟には合計5人の子供がいました。そのうちの3人は、次のような方たちです。
- 長男・池長澄(きよし)
摂南大学教授で倫理学者 - 次男・池長廣
詳細は不明 - 三男・池長潤
カトリックに入信し、1997年から2014年までカトリック大阪大司教区大司教を務める
三男の池長潤氏は、
「幼い頃から孟の蒐集した美術品にふれていたことも、キリスト教に興味を持つ要因になった」
引用:ナガジン
と回想しています。
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らんまん永守徹のモデル・池長孟と牧野富太郎の関係は?
続いて、池長孟さんと牧野富太郎さんの関係をみてみましょう。
牧野富太郎を経済的に支援
当時、東京帝国大学で働いてはいたものの、大学内での人間関係もあり、昇給することもなく、借金が積み重なっていく牧野富太郎氏。
困窮生活から抜け出すため、植物標本を海外に売る決心をします。
しかし、これには国家的な資料流出につながる問題もあるとし、渡辺忠吾氏が東京朝日新聞に記事を書きました。これは大阪朝日新聞に転載されます。
記事は、「不遇の植物学者、苦心の標本も売る羽目に」というタイトルで、
「植物学者・牧野富太郎が大きな借金を抱え、30年間のうちに採集した植物標本10万点を売却するしかなくなった」
という内容のものでした。
このとき、牧野富太郎さんに手を差し伸べたのが、京都帝国大学の学生で当時25歳の池長孟さんです。
もう一人、鉱山王の異名を持つ実業家・久原房之助さんという人物も、牧野富太郎氏への支援を申し出ていました。
池長孟さんは、牧野富太郎の植物標本を3万円で買い取り、それをそのまま、牧野富太郎に寄付すると申し出ます。
しかし、富太郎氏がその申し出を固辞したため、池長孟さんは叔父の通が建てた池長会館に保管することにしました。(池長会館は、1940年に「池長植物研究所」に改名)
この支援があったからこそ、牧野富太郎氏は積み重なった借金から解放され、その後も植物研究を続けることができるようになり、多くの成果を残すことができたのです。
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牧野富太郎への支援がストップ?
しかし、その後牧野富太郎氏と、池長孟さん及び池長家との間で行き違いが生じ、関係がうまくかみ合わなくなりました。
ひとつは植物標本をめぐる問題です。
30万点という膨大な標本は整理作業も進まず、ある意味扱いに困るということがあったようです。
また、池長孟氏が支援した3万円は、あくまで学者として牧野富太郎氏の負債を返済するためだったにも関わらず、牧野富太郎氏が遊びに使ったのではないかという疑義が、池長孟氏の母親を中心に持ち上がり、批判の声が出たとのこと。
とはいえ、池長孟氏による支援は、富太郎氏の妻・寿衛夫人が亡くなるまで続きました。
池長植物研究所は昭和16年に閉館され、30万点もの植物標本は、大泉の牧野家に付設された評品館にそのまま返却されています。
牧野富太郎と池長家との間に齟齬が生じたことから、その支援はストップしたものの、池長孟さんが牧野富太郎にとって、まさに大借金地獄から救い出してくれたこの上ない恩人だったことに間違いありませんね。
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らんまん永守徹役は中川大志
連続ドラマ小説「らんまん」で、永守徹の役を演じることになったのが、俳優・タレントの中川大志さん!
中川大志さんは、1998年(平成10年)6月14日生まれ、茨城県出身。
3歳からジャズダンスを習い、小学4年でスカウトされ、小学5年のときに芸能事務所に所属します。
連続テレビ小説には2作品、NHK大河ドラマにも4作品に出演している実力派の俳優です。
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