2023年4月から放送開始のNHK朝の連続テレビ小説「らんまん」。
この記事では、「らんまん」第87話(第18週)のネタバレとあらすじ、感想をまとめています。
第18週のテーマは「ヒメスミレ」です。
らんまん第87話のあらすじとネタバレ
4月になり、文部大臣・森有礼の号令のもと、東京大学の理学部は帝国大学理科大学と改められました。
そして、田邊教授がその初代教頭に就任することとなります。
お許しください
田邊教授から大学の出入り禁止を命じられていた万太郎は、大窪の協力を得ながら、ムジナモ発見の論文を書き直します。
しかし、田邊教授の決定が変わることはありませんでした。
いつもと変わらず元気に振る舞う寿恵子にも勇気づけられ、万太郎はもう一度、田邊の自宅へと向かいます。
たまたま玄関先に現れた田邊教授に話しかけます。
「雑誌は改めました。お許しください」
いつか植物図鑑を刊行し、日本の植物学のために共に歩みたいという万太郎。
しかし、田邊教授は許しません。
田邊:「話は分かった。私はもう持たざる物は数えない。折角生きている。なら、この手に持つ物を愛そうと思ってね。生憎私はたくさんの物を持っている。大学にも、全国の同志諸君から、植物標本が続々届いている。日本の各地を網羅する日も近い」
万太郎は身分も地位も持っていない、ただ好きという思いだけだ、と返すと、
田邊:「だから植物から愛される?ハハッ、凄いな、君は。どこまでも人を傷つけてくる。理由が欲しいか。私も、図鑑を作ることにしたんだ。大学の総力を挙げて、日本中の植物を網羅する植物誌を刊行する。そうだな、『大日本植物図解』とでも言おうか。君の仕事とぶつかるねぇ。だから、大学の出入りを禁ずる。書籍も標本も一切、使わせない。君が刊行をあきらめ、私に尽くすなら、考えてもいいがね」
万太郎は絶句し、立ち尽くすしかありませんでした。
万太郎が去ったあと、田邊教授は洋酒を浴びるように飲み、妻の聡子に
「これは祝杯だ。私の魂は、自由になった」
と言うのでした。
ヒメスミレ
一晩中家に帰れずに歩き回っていた万太郎。
家に着くと、寿恵子と園子が外で待っていました。
事情を察した寿恵子は万太郎を抱きしめます。
「万太郎さんは終わらない!終わるもんですか!」
そしてふいに園子に目をやると、園子は3輪のヒメスミレを見つめていました。
第88話に続く。
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らんまん第87話の感想
第86話に引き続き、厳しい展開が続きますね。
らんまん第87話では、論文を書き直してもなお、許しを得られない万太郎の絶望が描かれます。
実際に牧野富太郎氏も矢田部良吉教授に大学の出入りを禁じられていますが、それは明治23年、富太郎氏が28歳のときのこと。
牧野富太郎氏の著書「植物と心中する男」には、そのときの様子が綴られています。
明治二十三年頃、矢田部教授は突然、私に宣告して言うには、「お前はちかごろ、日本植物誌を刊行しているが、わしも同じような本を出版しようと思うから、今後お前には教室の書物も、標本も見せるわけにはいかない」というのである。
富太郎氏は、矢田部教授の自宅に行き言葉を尽くして懇願しましたが、拒絶されたとのこと。
この辺のいきさつは、史実と同じようですね。
「植物と心中する男」
ただ、優位に立っているのは明らかに田邊教授なのですが、なんだか哀れですね。
自由といいながら、万太郎の存在におびえ、必死で自分の中からその気持ちまでもかき消そうとしているかのようです。
一方の万太郎は苦境に立たされながらも、哀れには見えない。
花は咲かせないが、青々と茂るシダ植物と、小さくて人の目に留まるかどうかというヒメスミレの花。
この対比に現れていますね。
持ち過ぎる者と持たざる者、どちらが幸せなんでしょうね?
でも私は万太郎だけでなく田邊教授も応援したい…。
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