朝ドラ「らんまん」のモデルである牧野富太郎は、明治維新期に活躍した日本の植物学者。
らんまんでは、幼少期の万太郎が天狗と名乗る男・坂本龍馬に出会うシーンが描かれますが、史実では、牧野富太郎と坂本龍馬は面識があったのでしょうか?
牧野富太郎と坂本龍馬の関係についてリサーチしてみました。
牧野富太郎と坂本龍馬の関係は?
牧野富太郎は、明治維新期に活躍した日本の植物学者であり、教育者でもあります。
一方の坂本龍馬は、幕末期に活躍した日本の志士。多くの革命家と交流し、大政奉還や廃藩置県などの変革に貢献したことで知られていますね。
気になるふたりの関係ですが、高知出身の偉人という共通点はあるものの、
牧野富太郎と坂本龍馬に交流があったという情報は見つけられませんでした。
ふたりの生年月日は?
坂本龍馬は、1836年生まれ、牧野富太郎は、1862年生まれ。
ふたりの年齢差は、26歳。
牧野富太郎が生まれた1862年は、坂本龍馬が脱藩したちょうどその年。
「らんまん」では、牧野富太郎をモデルとした槙野万太郎が5歳のときに坂本龍馬と出会います。
万太郎が植物学の道を進むきっかけとなる重要なシーンでの登場です。
⚘ #らんまん 人物紹介 ⚘
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天狗(坂本龍馬) #ディーンフジオカ土佐の脱藩浪士・幕末の志士。
幼い万太郎が運命の出会いを果たす。#朝ドラ #4月3日スタート pic.twitter.com/7x950fwWzI— 連続テレビ小説「らんまん」 (@asadora_nhk) March 30, 2023
史実と照らし合わせると、そのときの龍馬は31歳であり、龍馬が亡くなる寸前というところですね。
背景を設定するとすれば、脱藩後の坂本龍馬が何かの用事で高知に戻ってきた際に、偶然万太郎に出会ったということになるでしょうか?
坂本龍馬は土佐に戻っていたの?
慶応3年(1867年)、坂本龍馬はどこで過ごしていたのでしょうか?
この年、坂本龍馬が土佐に戻っていたという記録はないようです。
この年の坂本龍馬の足取り
- 1867年1月に、長崎で後藤象二郎と会談
- 4月には海援隊の隊長に就任
この間は、下関の豪商の邸宅で生活していたということです。
なので、ドラマの設定とも合致していますね。
年齢差やそれぞれの状況を考慮すると、実際に牧野富太郎と坂本龍馬の交流が史実としてあったかどうかは厳しいところ…。
らんまんの描かれた、万太郎と坂本龍馬の出会いはオリジナルの演出で間違いないでしょう。
富太郎と坂本家の人との交流が?
ただ、牧野富太郎は20歳の頃に自由民権運動に携わったという記録もありますので、その中で、坂本龍馬と縁のある人たちと交流があったことは十分考えられますね。
実際に、坂本龍馬の甥の血筋につながる自由民権家・土井磯之助と、牧野富太郎は交流があったとのことです。
「中でも龍馬のおいの血筋にあたる土居磯之助という自由民権家との関係は深く、牧野博士が土居を植物採集に誘った記録もあります。」
引用:NHK
出身地は近い?
ではちょっと視点を変えて、牧野富太郎と坂本龍馬の出身地をそれぞれ見てみましょう。
- 富太郎の生家は、高知県佐川町
- 坂本龍馬の生家は、高知市上町
高知市と佐川町は、車で1時間ほどの距離です。
決して近いとは言えませんが、遠いとも言えない。
その佐川町について調べてみたら、面白い接点がありました。
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牧野富太郎と坂本龍馬、お酒で接点?
佐川町は、土佐藩筆頭家老・深尾氏の城下町として発展し、古くから「文教のまち」として知られています。
そして、町内には県内随一の歴史と伝統を誇り、幕末の偉人・坂本龍馬と縁のある「司牡丹酒造」もあるのです。
坂本龍馬と縁のある「司牡丹酒造」とは?
司牡丹酒造の創業は1603年(慶長8年)
土佐藩主となった山内一豊公の首席家老・深尾和泉守重良が佐川一万石を預かることになりましたが、その時に従えた商家の中の酒造りを担う「御酒屋」が前身と言われています。
そして、司牡丹酒造は、高知の偉人・坂本龍馬とも密接な関係が…。
坂本家の本家となる才谷屋は豪商で酒造りも営んでいましたが、その才谷屋と、司牡丹酒造の前身となる「黒金屋」とは、頻繁に交流があったのです。
才谷家との交流が頻繁にあったという文書や書状が残っており、小説家・司馬遼太郎著「竜馬がゆく」の中にも登場しています。
司牡丹酒造のお酒は、坂本龍馬が飲んだお酒としても知られているんですね。
牧野富太郎と司牡丹酒造のつながりとは?
司牡丹酒造は、牧野富太郎博士にちなんだクラフトジン、「マキノジン」も製造しています。
実は牧野富太郎と、司牡丹酒造ともつながりがあったのです。
牧野富太郎の実家は佐川町で「岸家」という屋号で酒造りをしていました。
当主であった牧野富太郎は、植物学を学ぶため上京する際に酒蔵を人手に譲りましたが、その後に、司牡丹酒造に譲られていたのです。
富太郎が、勉強部屋としても使っていたという蔵は、老朽化や自然災害の被害など残っていなそうですが、
なんでも「マキノジン」の蒸留器がある場所が「岸家」の酒蔵跡地なのだそう。
牧野富太郎ゆかりのお酒造りが、牧野富太郎の実家「岸家」の跡地でなされているというのは、不思議なめぐり合わせですね!
牧野富太郎と坂本龍馬は、直接ではないにしろ、「酒屋」というワードでつながりがあったことがわかりました。
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